「うそっ!最悪だ…」中学二年生の有賀海幸は、7月の焼けつくような日射しの中、思いっきり絶望感を味わっていた。地元のローカル線に飛び込み自殺をするはずが、廃線になっていたから…。自分に保険金までかけるという海幸の完璧な計画は、変更を余儀なくされてしまう。そんな彼女の前に、突然リガヤと名乗る女子高生が現れた。タガログ語で“幸せ”を意味する名を持つリガヤは、海幸を廃線の線路の先へと誘う。そこにはポツンと一台の廃棄車両があった―。「ボクがこいつを『幽霊鉄道』として、甦らせてみせる!」そう宣言するリガヤとともに、こうして海幸の不思議で先の見えない夏が始まった…。瑞々しく切なく揺れる少女たちのひと夏を描く、青春ファンタスティック・ストーリー登場。