わたしの“特別”が、 どうか、あなたにとっても そうでありますように。
七浜高校水族館部のふたりきりの部員となった、小雪と小夏。
小雪は高嶺の花の優等生として、小夏は都会からの転校生として、
異なる孤独を抱え、お互いに惹かれ合っていく。
連れ立って町の夏祭りへ出かけたある日、
小夏は、以前から気になっていたことを小雪に問いかける。
「初めて会ったあのとき、どうしてわたしに声をかけてくれたんですか?」
小雪は戸惑いながら、慎重に言葉を紡ぐが、
うまくまとまらず、不器用な答えにしかならない。
気まずい雰囲気が流れる中、それでも、
お互いの距離を確かめ合ったふたりは――?